微生物は大きな影響を・・現代病の不思議

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様々な現代病が世界で同時期に増加した原因は?

(1)の最後で紹介した「肥満」以外にも糖尿病、喘息、食物アレルギーなどが、先進国だけでなく、西洋化した開発途上国でも同時期に増加したそうです。

世界中で同時期に?しかも西洋化した開発途上国も?

不思議な気がしますよね。

これらの原因は何でしょう?

過食?

肥満や糖尿病は説明できる。でも喘息はやせた人が多くみられる。だから過食ではこれを説明できない。

など今までの視点では説明できなかったそうです。

最新の視点は

ヒトの身体内外に生きている微生物群(群がり)の多様性が失われた」その結果の現象である

ということ。

この視点。今までの医学見地からの他の理由では説明できず、この新たな見解が説明を可能にしてきているのです。今、大変重要になってきています。

ヒトの身体内外に生きている微生物群(群がり)はマイクロバイオームと呼ばれます。ヒトは何千年も何万年も多様な微生物の宿主となって、口腔や腸管、鼻腔、耳腔、皮膚、膣などに彼らを繁殖させてきた。

わたしたちの健康を保っているのは彼ら(マイクロバイオーム)ということ。これを乱すから健康が崩れる。が言えるようになってきたのです。

今、抗生物質や消毒薬の乱用などによって、私たちのマイクロバイオームが消失しようとしている。この多様性が失われていることが、現代病の増加の原因だ(と、分かってきています。)

抗生物質をマウスに与えると(実験)

Martin.J.Blaser 教授の研究室では、抗生物質を(水に混ぜて)マウスに与える実験をしたところ、幼児期から抗生物質を飲み続けたマウスには「肥満を誘発した」。それだけでなく「免疫系」「骨の成長」「内分泌系」「脳」にも変化があった。とあります。

「私たちは成長の初期段階が鍵だと考えている。幼児期は成長に対して決定的な時期である。この時期に友好的な腸内細菌を喪失することは、少なくともマウスにおいては肥満を誘発する」

「カギとなる第一歩は子供の抗生物質使用を減らすことから始められるべきで、それは今始められようとしている」このようにMartin.J.Blaser教授は述べています。

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