塩素は「水道に絶対に必要」でも「身体には不要」を説明

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室長のおかてつです。水道水の塩素について。

結論から言うと「自宅の蛇口の出口までは絶対に必要」です。しかし「私たちが飲んだり料理したり入浴する時は絶対不要」です。そう私は思います。

【塩素】自宅の蛇口の出口までは絶対に必要

水道水の安全の為に(病原性微生物などを取り除くために)塩素消毒しています。だから自宅の蛇口までは必要です。

1850年頃、イギリスで感染症が大流行して 1 万人以上が死亡しました。ある菌で汚染された水道水が原因でした。ある科学者が「その水道からの給水を止める」ことを提唱したら「感染症の流行も止まった」という話しは有名です。

それはコレラ菌(発見は1854年)でした。

ここで申し上げたいのは、水道が汚染すると、たちまち感染症が大流行するということです。

塩素は水中での残留性が高い性質を持っています。水道水中に塩素が残るように出来る。これを残留塩素といいます。塩素は、浄水場で浄化・消毒した水が各家庭に給水されるまでに、病原性微生物によって汚染されるのを防ぐために重要な役割として加えられています。

蛇口の先まで残留塩素が必要です

蛇口の先まで残留塩素は必要」だと私はハッキリと思います。

何が言いたいかというと「自宅の給水の入り口で塩素除去は絶対にしない方がよい」と私は思っているという事です。

残留塩素が無い場合どうなるか?

塩素が無くなると雑菌が繁殖したのが分かる資料です。(水道水の一般細菌が基準値オーバー!残留塩素の必要性

こちらによると、まず「配管内に残留塩素が無く、一般細菌が検出された」とあります。その後、水を入れ替えても不合格だったことから「給水配管の除菌洗浄をした」とあります。

つまりは、想像するに「配管がヌメヌメしていたのではないか」と感じます。

日本水処理工業株式会社HP

水道配管に残留塩素が無かったら危険だと思います。こういうことになる可能性があるからです。

そうなったら自宅の配管がヌメヌメしているかどうかの確認も無理です。検査しかできません。あとで取り外して掃除するなんてことも実質不可能です。

やはり蛇口から出てくる水道水から所定の濃度で塩素が検出されることが安全上大事だと私は思います。だから「塩素は蛇口の先まで残留」することが望ましいです。

下記の資料でも、そのように述べられています。

平成20~22年度 健康安全危機管理対策総合研究事業「水道の配水過程における水質変化の制御および管理に関する研究」

経験ある方は分かると思うのですが、蛇口直結浄水器の場合、浄水の吐水口にカビが良く発生します残留塩素が無いから一般細菌が発生するんです。至極当たり前の話です。

しかし原水(水道水)側にはさほどカビは発生しません。これは水道水を流すたびに残留塩素が消毒して吐水口を清潔に保ってくれているんです。塩素の重要性を感じませんか?

「残留塩素が在る水」が蛇口から出ることが一番安全ではないでしょうか?下の図の「通常の吐水口(左図)」の場合、カビの発生した記憶は私にはありません。「真ん中」の場合には内部は安全、外側のねじ山部分がカビていることはあるかと思います。

「残留塩素が無い水」しか出ない吐水口カビの恐れがあるのは当たり前のことです。私はビルトイン浄水器はおススメしません。

【塩素】私たちが飲んだり料理したり入浴する時は絶対不要

塩素は「病原菌がいない安全な水道水」の為に必要でした。でも身体には不要なんです。

塩素があることで発生する副生成物や、配管自体の鉄サビ等の混入もあり得ます。しかし、ここでは残留塩素のみに絞って説明したいと思います。

私たちの身体は微生物で運営されている!

まず、最も大事な事実は「私たちの身体は微生物の働きによって運営されている」という事です。

人は腸以外にも,皮膚や口腔,鼻腔,膣などの部位に微生物が存在していて、共存共栄でお互いの生命が成り立っているという事実があります。

皮膚も常在菌たちが肌をメンテナンスしてくれているそうです。人の細菌叢(微生物叢/生きた微生物の集合)をヒトマイクロバイオームと呼ぶそうです。

腸内細菌の大事さは最近は分かってきていますよね。

塩素は殺菌目的だから「ヒトの細菌叢」を破壊するおそれがあります。

塩素は殺菌が目的なので、人の細菌叢(マイクロバイオーム)を壊す可能性があります。人の健康体を維持するための細菌叢ですから壊さないようにしたいです。

「シャワー」をはじめ様々なシーンで水道水の塩素は皮膚に接触します。使用直前に塩素の除去が重要になってきます。

水道水で手洗いをしすぎると手荒れがするのも、残留塩素が皮膚の常在菌を乱してしまうことが理由とも言われています。

口腔内も常在している菌がいます。飲み水も同じです。

塩素の身体への影響は極力避けましょう。

まとめ

塩素は化学物質として、人体への影響も、ゼロではないと思っています。(そういうことを記載しているHPなどはいろいろありますのでここでは割愛します。)

とにかく塩素は悪者ではありません。良い悪いではなく必要です。塩素などの消毒が絶対に必要な環境で私たちは生活している。そのことを覚えてほしいと思います。

殺菌力があり、水に残留のしやすい塩素です。だから「病原菌が居ない安全な水道水」を実現できます。

しかし殺菌力の強さゆえに、生命体には影響を与えます。生命体は細菌たちと共存共栄で運営されているからです。

  • 蛇口から残留塩素の出る状態(要は普通の状態)にしておく
  • 蛇口に浄水器を取り付ける(塩素を除去する)

大事なポイントですので、お伝えしたいと思いました。