中空糸膜を選ばない理由

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「中空糸膜」を選ばない理由

こんにちは。室長おかてつです。巷の蛇口直結浄水器は、ろ過材として「中空糸膜タイプ」がほどんとかもしれません。

しかし「中空糸膜は疎水性」なので、水が通り抜けしにくいのです。

ですので「表面に界面活性剤(親水剤)が使われている」というところが一般的なのかと思います。

しかし「界面活性剤」には何が使われているのでしょう?

それがなぜ気になるか?といえば、水が濾過されるたびに、その薬剤(界面活性剤=親水剤)が溶出(浄水に溶け出す)はずだからです。

界面活性剤という表現は印象悪いから「親水剤」なんだろうなぁ・・

具体的に問題なければ発表するであろう「薬剤名」部分が、基本的には「未発表・記載なし」です。問題ない薬剤であると信じたいですが、未発表なのは印象が悪くなって購買の抵抗感となるから?かもしれません。

でも、良く分からないので「避けた方がよい」と思っています。これが理由です。

気になる方は検索してみてください。

「中空糸膜って危険なんだ」と感じる情報もあふれています。

だから、私なりに真剣に調べてみました。でも「中空糸膜の親水剤が危険である」と証明する学術記事は皆無でした。

中空糸膜は疎水性なので「親水剤が必要である」ということ。それは学術記事でも分かります。でも中空糸膜の親水性の付与について具体的に判明した情報は一つ(東レ)だけでした。

ガイアの水135浄水器には中空糸膜は使われていません。

以下、調査結果です

中空糸膜は、コンパクトで安価、比較的低圧で利用できる特長があり、「世界に先駆けて中空糸膜を家庭用清水器に組み込み製品化したのは三菱レイヨンとされている。」とありました(wikipedia)

「J-STAGE」という学術記事の載ったサイトがあります。企業の研究部門のPRも感じる活発なサイトだと感じます。ここで調べてみると

1992年の記事に「三菱レイヨン(株)」。ドンピシャですね。

読み進めると、中空糸膜の素晴らしさを伝えている内容です。

この「親水性が付与されている」というところが、「界面活性剤だ」という話なんですね。

「親水性が一時的に付与」というのは、親水剤(界面活性剤)が浄水に溶け出して減っていくからだと言えます。

さて、現在、一番売れていると思われる大手メーカーの蛇口直結型浄水器のろ材(下)は「ポリスルフォン(ポリスルホン)」です。これは「疎水性(水をはじく)ですから親水性が付与されている(上)」とあります

親水性をどうやって付与しているのかは分かりませんし、これ以上は分からないですね。

中性子膜は、膜の疎水性をどうやって無害なまま親水性にするのかを工面しているのかな?といくつかの記事で感じました。

別の記事によると「東レ」さんの「トレビーノ」の研究がありました。PVP( ポリビニルピロリドン )を添加しているとあります(表記してあるのは珍しいかもしれません)

PVPとは検索するとこのような表がありました。

東レさんの記事(No.0231 中空糸膜の微細構造解析)にもあります

PVPは毒性については内閣府食品安全委員会が「添加物として適切に使用される場合、安全性に懸念が無いと考えられ、添加物「ポリビニルピロリドン」の ADI (一日許容容量)を特定する必要はないと判断した。」とあります。

CO・OP(日本生協連)さんがPVPについて意見したことを記事にしています

日本生協連が提出した「ポリビニルピロリドンに係る食品健康影響評価に関する審議結果(案)への意見」に対する食品安全委員会の回答について

ともあれ、公表しても「添加物として適切な使用なら安全性に懸念なし」という判断がされているので、東レさんは「トレビーノ中空糸の特徴のひとつ」として発表されているのかと思います。

まとめ

結局のところ、中空糸膜は親水剤に何をしているのか?なぜ公表しないのかがほとんど分からないです。

細かいところも分かりません。

本当に「危険」を証明する学術記事は見当たりません。そんなものがあったら使用停止になっているかとは思いますが、情報が出ないように制限されているゾーンなのでしょうか?

ちょっと分からないので「私の判断は手を出さない」です。

中空糸膜は様々な分野で活躍している技術なので、より発展を祈っています。