現在の微生物環境を理解する上で、言いたいことは
最低限の歴史を知る必要がある ということです。
いま、先進国は「健康とよばれる状態」になっています。
実は、ほんの少し前の1850年のアメリカでは、生まれた赤ん坊の4人に1人(1000人だと250人)が「1歳の誕生日」を迎えることなく死亡していたそうです。致死的な疫病が人口の密集した町で流行し、コレラ、肺炎、ジフテリア、百日咳、結核、天然痘などよく知られた災難が存在したんです。
それが現在は1000人のうち994人が1歳の誕生日を迎えている。出産の際に死亡するお母さんもかなり減っているし、これは驚くべき改善ですよね。
いわゆる先進国は少し前と比べ「健康とよばれる」になった状態です
何故、これほどの変化が出たのでしょうか? これには「衛生の改善」、ネズミの駆除、殺菌されたミルク、幼い時にワクチン接種、近代医療、麻酔、特に抗生物質が大きな役割を果たしたといわれています。
しかし、「健康とよばれる状態」の世界で「奇妙なこと」が起こってきた
「肥満」を現代病とするなら、これは最も顕著な現代病とも言うことができて、1990年代のアメリカ人は12%が肥満(BMI値)だったのが、わずか20年で30%が肥満になっているそうです。
驚きなのは
こんな短期間で!ということ。明らかに重要な警告であり、
さらに驚くことは
原因は過食ではない!ということなんです
過剰体重の原因と想像できる「脂肪や糖分が豊富な食物」はそれ以前にも長く存在していて、この20年で突然、急に過食なライフスタイルになったわけではないということ。
つまり「高カロリー摂取」では、それだけを現代の肥満の原因とするには、十分な説明が出来ないということです
もっと驚くことがあります。
過食よりも飢餓が重要な社会問題である開発途上国に肥満の問題が起こっているということです(国連WFP)。これは全くイメージが覆されますよね。
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